夜、時々雨の音を気にしながら綾子とチョビは何となくテレビを見ていた。
画面の中で大騒ぎしている若者たちがいる。
テレビの画面からはみ出しながら若者たちが手を差し伸べる
綾子ちゃん、皆で行こうって言ってるよ、
一緒に行ってみようよ。
綾子を見つめるチョビの瞳が一回り大きくなった。
え~、どこに行くのチョビ?
ー
頭上に降りてきた青い風船に飛びついたチョビが速く早くと手を振る。

これは多分夢の中だね、
ウンウン夢なら変じゃないよね!
現実離れした状況に綾子は特に深く考える事もしなかった。
大きな大きな風船にしがみついて綾子はチョビと一緒に空へ舞い上がる。
さっきまで降っていた雨は止んだらしい。
今は夜のはずなのにあたりは明るくてとても爽やかだ。

青い風船につかまって広い宇宙へ舞い上がったような気分。
上にいるチョビのしっぽを見上げながら、綾子はふと思った。
あ、あたし小屋の中の本を持ってくるのを忘れた!
小さな小屋なのに恐ろしく広い部屋に並んでいた
あのタイトルのない真っ白い本を持って来なかった事に気が付いた。
ーーー雨の音4へ続く